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Tweets by xn__cckok1cwc2fどんなビジネスにも、人間関係は付き物です。何もかも自分の思い通りにすることが許される芸術家であればともかく、そうでなければ何らかの形で周囲や相手と折り合いをつけなければなりません。しかしこのような対人関係にも、一定のスキルがあれば、無用の争いを避けて、仕事を成功へと導くことができるのです。そのようなヒューマンスキル、すなわち対人関係能力とは、自己表現力・アサーション・対人関係力のことです。
古来日本人は「以心伝心」を好み、自分から強く主張をしないことを美徳としてきましたが、これはビジネスの場では通用しませんし、下手をすれば思わぬ誤解を生んでしまいかねません。そこで自分の主張や意見を相手に伝えるために、表現する能力が評価されます。ビジネスには相手方があるため、交渉を上手く運ぶ、あるいはチームをまとめるといったように、出来るだけ争いを避けて、お互いの納得の下に仕事を遂行するよう努めなければなりません。従って自己表現力には、単に自分の考えを表明するだけのことではなく、相手の立場や考えを理解したり想像した上で、それでも自分の考えを相手に受け入れてもらうよう、きめ細やかな工夫を要します。
アサーションとは、直訳をすれば主張、あるいは断言という意味になりますが、ここでは自分さえ我慢すればよいという態度を否定するものとして使っています。日本人はどうしても、相手に合わせようとするあまり、納得していないにもかかわらずはっきりと否定することもなく、黙って受け入れてしまうことがあります。しかしそのように無理をしてしまうと、どこかにそのしわ寄せが及ぶものです。むしろ相手と異なる部分は、異なるということをお互いの目の前で明らかにしておき、その上でどのように溝を埋めることができるのかを考える方が、相手に対して余程誠実な態度といえるでしょう。
そうかといって、爆弾発言をあっさり投下してよいということではありません。相手の立場や背景事情を慮って、主張するにも相手を過度に刺激することなく言葉を選び、穏やかに話し合いができるような配慮が必要です。もちろん戦略として相手をわざと怒らせるということもあるでしょうが、それも最終的な落とし所をよく考えておかなければなりません。
そして相手との間で駆け引きも含めて、様々なトラブルを解決しなければならない場面があるでしょう。このようなトラブルは、機械的に処理出来るものではなく、その場面場面に応じて柔軟に、妥当な解決を図らなければなりません。人と人とは、言葉でやり取りをするのであり、しかもその上それぞれのものの考え方も習慣も社会的背景も、およそありとあらゆることが違っていてもおかしくないということを理解しておかなければなりません。
人間関係を良好に築くための自己表現力、アサーション、対人関係力といったヒューマンスキルは、ビジネスの上でも大きな価値があります。互いに立場も利益も異なる者同士にとって、意見の衝突はつきものです。そこでそれをどう乗り越えるのかという交渉の場面では特に、相手の立場を考えながら、自らを適切に表現し、決してあやふやに誤魔化してしまわないことが大切です。そしてお互いの主張を吟味して、決して目的からブレずに、冷静沈着に妥協点を探る柔軟さが求められるのです。小手先だけで調子を合わせようとしても、決して上手くは行きません。
ビジネスには様々な制限があり、その限られた資源で仕事を完成させなければなりません。そのため無駄のない、効率的な業務遂行が望ましいのです。仕事に関わるのは一人だけではなく、組織として結果が求められるため、まずは責任感があって最後まで仕事をやり遂げる姿勢が大切です。そして指示待ち人間ではなく、自らの頭で考えて行動できなければなりません。また組織の一員として特に外部に対して、自分が良くも悪くも印象づけてしまうということを肝に銘じなければならず、ビジネスマナーは重要です。これらを兼ね備えることが、テクニカルスキル、すなわち業務遂行能力なのです。
新卒時と異なり、転職時には転職希望者にも一定の社会人経験がありますし、求人企業も即戦力を求めるのが普通です。企業が自前で人を育てる余裕がないといった事情から、中途採用に積極的な場合、実務経験年数や資格について条件が付される例もあります。それは現場における必要最低限のレベルを示したものであり、従って勤めながら教えてもらおうなどといった安易な考えは通用しません。その一方で自分の実力が通用するか不安であっても、まずは客観的な目でキャリアの棚卸しをすることです。案外相手企業では高く評価されるような、経験やスキルがあるかもしれません。