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学生時代とは違う社会人として、職場の空気に馴染む頃には、何が自分に求められているのか、薄々分かってくるものです。まずは上司に「報告・連絡・相談」をするなど、業務の中では自分一人ではなく、組織として動くためのルールがあります。会社勤めをしていれば何となく身に付いて来るものですが、改めて何が必要なのかを数え上げて、業務を遂行する上で常に意識するようになれば、よりスムーズな業務の遂行が可能になるでしょう。テクニカルスキル、すなわち業務遂行能力とは、すなわちそのようなルールに則った行動が出来ることに他なりません。
どんな些細な雑用であっても、企業内で命じられて行う業務に、無駄なものはありません。就職して当初には、失敗しても影響のないようなものしか回ってこないものですが、それでもその一つ一つについて、責任を持って完成させることが大切です。仕事にも軽重はありますが、新人の仕事だからといっていい加減にしてよい筈はありません。というのもその仕事を命じた上司は、どのようにその仕事を完成させるのか、ちゃんとチェックしているのです。そして少しずつ責任の重い仕事を任せても本当に良いのかどうか、密かにタイミングを計っているのです。
そしてたとえ任されたのがコピーであっても、そのコピー作業を正確に素早く完了する方法を考えたり、あるいはそのコピーの使われる場面を想像して、そこからどのようにコピーを整えればよいのかを考えたり、と自分の頭で考える人は、出来上がりが違います。上司は仕事を任せながら、指示通りにするだけなのか、一歩進んで自分の頭で考えているのか、見ていないようでちゃんと見ているのです。業務の中で指示を出されなければ自分では動こうとしない人は、周囲にとってやりにくいものです。それよりも自分で状況を判断して適切に動く人を相手にする方が、何かとスムーズです。職場では新人であっても、手取り足取り教えてくれるものではありません。周囲をよく見て自分で学び取らなければならないのですが、もちろんそれはうわべだけ周囲の真似をすることではありません。自分の頭でしっかりと考えて、応用することができる能力を求められるのです。
そして特に社外において会社の名刺を使う以上、社会人として恥ずかしくない振る舞う必要があります。それは社内においても同じであり、敬語など正しい言葉遣いを使うよう訓練しておく必要があります。自分が相手に与える印象が、会社の印象を決定付けてしまうということの重要さを、よく覚えておかなければなりません。良い印象であればともかく、悪い印象を一度与えてしまえば、後からどれほど努力してもそれを覆すのは難しいのです。
ビジネスシーンにおいて、相手から高い信頼を得て議論や業務を円滑に進めるためには、自分本位な伝達から脱却する必要があります。そのためには、相手が何を求めているかを優先する客観的視点を基盤とし、自身の考えを複雑な文脈や微妙なニュアンスに合わせて正しく表現する語彙力、さらには余計な情報を削り真意を簡潔に届ける要約力の3つを統合的に高めることが大切です。主観的な思い込みを捨て、言葉の引き出しと要約の工夫を組み合わせることで不要な誤解を防ぎ、最短で相手の理解と協力を引き出す説得力のある発信が可能になります。
人間関係を良好に築くための自己表現力、アサーション、対人関係力といったヒューマンスキルは、ビジネスの上でも大きな価値があります。互いに立場も利益も異なる者同士にとって、意見の衝突はつきものです。そこでそれをどう乗り越えるのかという交渉の場面では特に、相手の立場を考えながら、自らを適切に表現し、決してあやふやに誤魔化してしまわないことが大切です。そしてお互いの主張を吟味して、決して目的からブレずに、冷静沈着に妥協点を探る柔軟さが求められるのです。小手先だけで調子を合わせようとしても、決して上手くは行きません。
ビジネスには様々な制限があり、その限られた資源で仕事を完成させなければなりません。そのため無駄のない、効率的な業務遂行が望ましいのです。仕事に関わるのは一人だけではなく、組織として結果が求められるため、まずは責任感があって最後まで仕事をやり遂げる姿勢が大切です。そして指示待ち人間ではなく、自らの頭で考えて行動できなければなりません。また組織の一員として特に外部に対して、自分が良くも悪くも印象づけてしまうということを肝に銘じなければならず、ビジネスマナーは重要です。これらを兼ね備えることが、テクニカルスキル、すなわち業務遂行能力なのです。