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Tweets by xn__cckok1cwc2fビジネスで必要とされる能力は、その場面や立場によっても様々です。しかしビジネスが人を相手にする以上、「一を聞いて十を知る」といった理解力や洞察力に長けていると、重宝されます。このような能力は、具体的状況に小手先で対応するのではなく、その背景まで深く読み取った上で、抽象化することを抜きに語ることはできません。このようなコンセプチュアルスキル、すなわち概念化能力を利用できる場面は数多いものです。
ビジネス上で持ち上がる問題に、同じものは二つとありません。それぞれに状況は異なり、取りうる手段も異なります。しかしこれまでに経験していない事態にも対処するためには、既に獲得している知識や知恵を活かす必要があります。そこでまずは直面している問題と、自分自身が知っていることの中に類似性を探します。この似た部分を探すためには、それぞれを具体的な事象から一段抽象度のレベルを上げなければなりません。それぞれの要素を過不足なく掴んで、それを表現できなければならないのであり、そうすれば少なくとも手掛かりが見つかります。もちろん偶々外見上そっくりな状況であっても、実はまるで違っているということもあります。そのような場合に見た目の類似性からすぐさま結論に飛びつくと、とんでもない事態になりかねません。目の前に置かれた事象の枝葉末節を取り払い、根幹にあるものを掴み出すのです。この抽象化によって、物事の本質を見極める能力が養われるでしょう。
こうして具体的事象から切り離したものを、相互に比較検討することができるようにするためには、短い言葉でそれを表現することが大切です。つまり概念化することであり、その概念を再び新たな具体的事象に当てはめると、全く経験したことのないものであっても、「未知」ではなく「既知」のものとして対処できるようになるのです。
例えばビジネス上のにトラブルに対し、その一つ一つが未知の体験であるからといって、全く手をこまねいているようでは、とても責任を全うすることができないでしょうし、そもそも立場がありません。そこでまずは自分がこれまでに培った諸々の知識を鮮明に呼び起こして、全く同じとは言わないまでも、せめて一部分だけでも似たような事態に対処した時の知識を選び出します。ここで似たような状況とはどのような状況なのか、を正確に判断するという点において、この作業は「未知」の状況と「既知」の状況とのそれぞれを、一定レベルにまで抽象化することになります。そうしておいて「未知」の状況に概念化した知識を利用して、対処できる具体的な方法を探すのです。
人間関係を良好に築くための自己表現力、アサーション、対人関係力といったヒューマンスキルは、ビジネスの上でも大きな価値があります。互いに立場も利益も異なる者同士にとって、意見の衝突はつきものです。そこでそれをどう乗り越えるのかという交渉の場面では特に、相手の立場を考えながら、自らを適切に表現し、決してあやふやに誤魔化してしまわないことが大切です。そしてお互いの主張を吟味して、決して目的からブレずに、冷静沈着に妥協点を探る柔軟さが求められるのです。小手先だけで調子を合わせようとしても、決して上手くは行きません。
ビジネスには様々な制限があり、その限られた資源で仕事を完成させなければなりません。そのため無駄のない、効率的な業務遂行が望ましいのです。仕事に関わるのは一人だけではなく、組織として結果が求められるため、まずは責任感があって最後まで仕事をやり遂げる姿勢が大切です。そして指示待ち人間ではなく、自らの頭で考えて行動できなければなりません。また組織の一員として特に外部に対して、自分が良くも悪くも印象づけてしまうということを肝に銘じなければならず、ビジネスマナーは重要です。これらを兼ね備えることが、テクニカルスキル、すなわち業務遂行能力なのです。
新卒時と異なり、転職時には転職希望者にも一定の社会人経験がありますし、求人企業も即戦力を求めるのが普通です。企業が自前で人を育てる余裕がないといった事情から、中途採用に積極的な場合、実務経験年数や資格について条件が付される例もあります。それは現場における必要最低限のレベルを示したものであり、従って勤めながら教えてもらおうなどといった安易な考えは通用しません。その一方で自分の実力が通用するか不安であっても、まずは客観的な目でキャリアの棚卸しをすることです。案外相手企業では高く評価されるような、経験やスキルがあるかもしれません。